工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

リモート水位センサシステム ver4(4) --- 水温センサの追加 ---

概要

水温センサを追加し、動作テストを行った。



背景と目的

以前、センサ部の製作を行った際、スペースの余裕があることに気づき水温センサをつけられるのでは?と思い、案を温めてきた。そこで、今回水温センサを追加してみたい。



詳細

1. 構想

センサ部の製作を行った時の画像だが、最低水位のセンサの横か裏あたりに、水位センサをつけたい。また、水位が低い時にもセンサが水に浸かるようにできるだけ低い位置に配置したい。

f:id:dekuo-03:20220417213304j:plain


2. 使用センサ

以下の防水型の温度センサである。

www.amazon.co.jp

2年半くらい前に、いつか防水のセンサを使うことがあるかもと思って買っておき、過去、リモート水位センサ筐体内温度上昇を抑えるための検討で使用したのだが、ついにレギュラー稼働の時が来た。


3. センサ実装

センサ部の最も低い位置にできるだけ近くなるように装着した。この水温センサとの干渉を避けるため、最低水位の水位センサを背面から少し離して前面寄りに配置しなおした。

f:id:dekuo-03:20220417211910j:plain


4. メイン基板修正

関連部分だけ抜粋すると、以下。

  • ESP32 f:id:dekuo-03:20220417213036p:plain

  • 水温センサ部 f:id:dekuo-03:20220417213040p:plain


5. ソフトウェア修正

センサの中身の素子はDS18B20なので、1-wireインターフェースで取得すればよく、arduinoの場合

  • DS18B20_RT
  • OneWire

の2つのライブラリを使用することで、簡単に扱うことができる。関連のある部分だけ抜粋すると、以下のような感じ。

#include <OneWire.h>
#include <DS18B20.h>

:

static const int PIN_DS18B20 = 21; // 信号線接続

:

// OneWireの設定
OneWire oneWire1(PIN_DS18B20);

// 水温センサ
DS18B20 water_temp_sensor(&oneWire1);

:

// 水温センサの初期化
water_temp_sensor.begin();
water_temp_sensor.setResolution(12);
water_temp_sensor.requestTemperatures();

:

// 計測して℃の値をもらう
sensor.requestTemperatures();
while (!sensor.isConversionComplete()) {
  delay(10);
}
float temp = sensor.getTempC();


5. 動作確認

温度測定&送信し、無事SORACOMのサーバへデータが到達したことを確認。これで、2022年版の作成作業は完了。



まとめと今後の課題

水温センサを追加できた。田植えまで動作テストを2-3週間くらいやって、実稼働に臨む。


芽ねぎの水耕栽培(1) --- 種まき ---

概要

芽ねぎの種まきを行った。



背景と目的

水耕栽培の成長記録システムの製作が大体終わったので、いよいよ栽培を始める。



詳細

0. 参考

chomily.com


1. 材料の調達

材料は、以下の通り。

  • リビングファーム 水耕栽培用 ウレタン培地 (25ミリ角) 50個 【1シート入り】

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00EMEHGT8/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o09_s00?ie=UTF8&psc=1

  • 培地ケース

ウレタン培地と水を入れるケース。100均の透明なポリスチレン製小物ケースを利用。

  • タキイ種苗 芽ネギかおり芽ねぎ 野菜種秋まき春まき/1dl

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07VMK79LN/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

  • 洗濯ネット

参考サイトでは、黒皮が残るのを防ぐためのメッシュとして、ステンレスの網を使っていたがなかなか高いので100均の洗濯ネットで代用。


2. 種まき

2.1 培地

培地ケースに入るサイズでカット。あらかじめ切れ込みがあるので非常にやりやすい。

2.2 種まき

まず、培地に水を含ませる。そして、スポンジにあるH型の切れ込みにたくさん種を蒔く。参考サイトにもあるが、先に種を蒔こうとすると種が飛び散りやすいから水を先に含ませることが重要。

これは、結構地道な作業で疲れる。種は飛び散りやすくめちゃくちゃ無駄になる。ただ、それ以上にたくさんあるので大した問題ではなかった。

2.3 メッシュをかぶせる

浮いてしまうと黒皮が先端につくのを防ぐ効果がなくなると言っていたが、洗濯ネットではどうしても浮いてしまう。やはり、参考サイトにあるとおり、ステンレスの網など、ある程度剛性のあるものが良いと思う。


2.4 水やり

トレーの半分くらいまで水を入れてみた。スポンジが水に浮き気味だが、ちゃんと水がしみ込めば大丈夫そう。


3. 見守る

発芽まで数日かかる模様なので、適宜水やりをしながら、成長記録システムで監視していく。


まとめと今後の課題

種まきができた。水やりしながら発芽を待つ。


水耕栽培の成長記録システム(3) --- ソフトウェア実装 ---

概要

前回に引き続き、写真データをクラウドに送信して保存するためのソフトウェアを構築する。



背景と目的

前回、ハードウェアの構築ができた。今回は、Unit-CAMのソフトウェアとクラウド側で写真データ受け取り部分を実装する。



詳細

重要部分のみ記載する。

1. 撮影装置

dekuo-03.hatenablog.jp

Unit-CAMで撮影するための基本的なソフトウェアは、arduino-esp32のWiFiCameraServerを基にした上記記事で実験済みなので、これを基本として構築する。

1.1 撮像部

撮像部については、上記記事のピン配置等も同様。カメラの細かい設定は以下とし、それ以外はarduino-esp32WiFiCameraServerのデフォルトとした。SVGA(800*600)は決して解像度が高いとは言えないのだが、PSRAMが載っていないため仕方ないのと今回の用途としては十分なのでとりあえず問題ではない。

  config.pixel_format = PIXFORMAT_JPEG;
  config.frame_size = FRAMESIZE_SVGA;
  config.jpeg_quality = 10;
  config.fb_count = 1;

1.2 送信部

今回は、ESP32側のメモリ使用量が少なくて済むようにjpgバイナリをそのまま送信したい。送信側ではContent-Typeヘッダにapplication/octet-streamを設定して送信する。 また、ESP32の送信用バッファのサイズの制約か、WiFiClientSecureオブジェクトのwriteメソッドで一度に大きなデータを書いてしまうとうまく動かないので、1kbyteに分割して書き込むという工夫をしている。

#include <WiFiClientSecure.h> // Wi-Fiに接続して、HTTPS通信するためのライブラリ

const int TIMEOUT_IN_MSEC = 5000; // タイムアウト[msec]

// POSTリクエストを送信する
// respBody: レスポンス文字列
// respBodyLen: 配列大きさ
void post_request(const char* host, const char* path, const uint8_t* payload, size_t payload_len, const char* machineId, char* respBody, unsigned long respBodyLen) {

  // PSRAM用??
  char * ptr = (char *) malloc(sizeof(WiFiClientSecure));
  WiFiClientSecure* client = new (ptr) WiFiClientSecure;

  // v1.0.6
  client->setInsecure();
  
  if (!client->connect(host, 443)) { // 接続にトライ
    // 接続失敗
    client->stop();
    return;
  } else {
    // 接続成功
    size_t contentLength = payload_len; //strlen(payload);

    // ヘッダ
    client->printf("POST %s HTTP/1.1\n", path); // POSTメソッド
    client->printf("Host: %s\n", host); // HTTP1.1で必須のヘッダ, アクセス先サーバーとしておく(そうしないとクロスドメインアクセスになる)
    client->println("Connection: close");
    client->println("Content-Type: application/octet-stream");
    client->printf("Content-Length: %d\n", contentLength);
    client->println(); // ヘッダの最後は空行
    
    // ボディ
    // 一度に大きなデータをprintfしたりwriteするとうまくいかない
    // mバイトに分割してwriteする
    int m = 1024;
    int i, j = 0;
    uint8_t * p = (uint8_t *) malloc(m);
    while (true) {
      for (i = 0; i < m; i++) {
        p[i] = payload[i + j * m];
        if (i + j * m == contentLength - 1) break;
      }
      client->write(p, m);
      client->flush();
      if (i + j * m == contentLength - 1) break;
      j++;
    }
    client->println(); // 空行を最後に

    // レスポンス待ち
    Serial.printf("Waiting for reponse...");
    unsigned long curtime = millis();
    while (client->available() == 0) {
      if (millis() - curtime > TIMEOUT_IN_MSEC) {
        // タイムアウトのときは終了
        client->stop();
        return;
      }
    }

    // レスポンス受信
    unsigned long ci = 0;
    bool started = false;
    while (client->available()) {
      char c = client->read();
      if (c == '{') started = true;
      if (!started) continue;
      respBody[ci] = c;
      ci++;
      if (ci == respBodyLen) break;
    }
    respBody[ci] = '\0';
    
    // 接続終了
    client->stop();
  }

}


2. クラウド

AWS

  • APIGateway
  • Lambda
  • S3

を組み合わせる。

2.1 APIGateway

APIGatewayを介してLambdaがjpgバイナリを受け取るには、APIGateway側の設定において

  • APIの設定でバイナリメディアタイプとして受け取るContent-Typeを設定
  • マッピングテンプレートでbase64エンコードされた文字列がLambdaに引き渡されるようにとして受け取るように設定

が必要。具体的には、APIの設定は

f:id:dekuo-03:20220327121336p:plain

となる。また、マッピングテンプレートでは、$input.bodyという変数にbase64エンコードされた画像データが格納されているので、テンプレートが定義されていないときのテンプレートを基に、body-json内にキー(ここでは、imgDataというもの)を定義し、$input.bodyを入れた。

f:id:dekuo-03:20220327121328p:plain

2.2 Lambda

受け取ったbase64文字列をバイナリに戻す。あとは適宜S3等に書き込めばよい。

import base64
import boto3

s3 = boto3.client("s3")

# バイナリに戻す
img_binary = base64.b64decode(event["body-json"]["imgData"])

# バイナリをBodyに入れる
s3.put_object(
    Bucket=バケット名,
    Key=保存先,
    Body=img_binary
)


3. 動作確認

動かしてみたところ、無事クラウド側に保存できた。


まとめと今後の課題

写真を撮って、クラウドに保存する仕組みが構築できた。いよいよ芽ねぎの栽培を始める。