工作と競馬2

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ソーラーパネルとエネループで充電システムを作ってみる

この記事に書いた方法は、ニッケル水素電池の特性であるメモリ効果によりすぐに充電ができなくなってしまうため実用にならなかった。リチウムイオン電池を用いた方法にする必要がある。

dekuo-03.hatenablog.jp

↓ そのため、以下は参考記録とする。


概要

ソーラーパネルエネループで充電システムを作り、動作を確認した。


背景と目的

今年取り組んだリモート水位センサは、電源のない田んぼで稼働させるため電池駆動としたが、こちらに書いた通り、来年に向けて電池交換が不要になるともっと良いということで、ソーラーパネルを使って電力を賄えるシステムを試作してみる。


詳細

1.構想

とする。

ソーラーパネルは、接続される機器の1日あたりの消費電力量から考え、小型の出力で十分だろうし、実験なのでひとまず小規模から始める。

エネループを選んだのは、リモート水位センサで使っていたことと、ニッケル水素電池は、リチウムイオン電池のような膨張、発火といった危険性は低いと言われていて安全に使えるという理由から。ただし、メモリ効果はあるとされているので、放電しきらないで繰り返し充電するという使い方については注意が必要かもしれない。


2.設計

私にはソーラーパネルを使った経験も、エネループの充電回路も作った経験がないので、事前にいくらか調査、試作などをして決定した。

  • 参考サイト等

synapse.kyoto


2.1 ソーラーパネル

秋月電子で1200円と手ごろな以下のものを入手。出力3Wで、大きさはおよそA4用紙サイズ。この機種は、内部に2枚のパネルが搭載され、それらを直列または並列で接続できるのだが、今回はエネループ4本直列の状態=最大でも5.6V程度を充電できればいいので、並列接続とし最大出力電圧9~10Vの状態で使うことにした。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00700/akizukidenshi.com


2.2 充電制御用回路

充電制御の方法は、事前調査をしたところ、簡易なものから高度なものまでいろいろあり、当然充電制御ICなどもあるが、手ごろなものを見つけられなかったことと、後学のためにということで、自作することにした。 制御のポイントは以下。

  • 充電電流制限付き
  • 電池の電圧が一定値まで上がったら充電電流が止まる

2.21 充電電流制限

R1とQ1によって最大約100mA程度に制限する。充電電流には、電池の容量(今回は単3型の1900mAh,min.)を1時間で満充電できる電流(=1.9A)を"1C"と呼ぶ基準が国際的にあるとのことで、それに則ると約0.05Cということになる。充電電流が低いほど、満充電には時間がかかるのだが、過充電時の危険性は低いとのことなので、安全面を考慮しこの程度とする。(もっとも、天候により常に100mA流れるわけではないので、過充電にならないどころか満充電になるのかという心配もあるが)

2.22 充電完了となる電圧

エネループにかかる電圧は、D1の順方向電圧を基準として、R4,5,6の抵抗分圧比によって最大値が決まる。今回は、R6を微調整し、5.6V(1セルあたり1.4V)とした。充電により電池の電圧が5.6Vに近づくと、電池の内部抵抗にかかる電圧が減るので、充電電流も減っていき、いずれ電流が0となる。

なお、ニッケル水素電池の場合、周囲温度が上がると、開放電圧が下がるらしく、一定の電圧まで充電する方式だと、高温時に過充電の可能性があるが、電圧基準としたLEDの順方向電圧も温度に対して負の係数を持つので、一応過充電に対しては起こりづらい方向と考えられる。本当は、ちゃんとデータを取って制御したいが温度依存の方向性として合っているのでよしとする。(LEDではなく、ツェナーダイオードの品種を選んで温度係数を合わせる手もありそうだ。)


3.稼働テスト

以下の条件で、1週間程度、稼働させてみた。

  • ソーラーパネルは、自宅のベランダにて、南向き、天頂方向を0度として、およそ50度程度傾けて設置(日の上がる高度=季節に応じて最適角度があるが今回はだいたい)
  • 9/8~9/14の7日間、9/9に台風襲来等もあったが、おおむね晴れが多かった
  • エネループに負荷として自身の稼働状態を監視するための電圧モニタを接続

エネループに接続した負荷は、ESP-WROOM-32のA/D入力を用いて充電制御用回路各点の電圧を3分ごとに計測し、自宅のWi-Fiを通じてクラウドストレージに計測値を保存する。計測時以外はスリープしており、ほとんど電力を消費しないので無視し、起動&測定&送信時の約15秒間で常に約100mAを消費するとすると、

100mA * 0.25分 * 20回 / 60分 = 約8.3mAh

程度の消費電力量となる。

ソーラーパネル出力電圧[V]と電池電圧[V]


電池電圧[V]と充電電流[mA]


結果を見ると、電池電圧は、日が上がってきて発電が始まると、夜中に消費して下がった電圧を回復するように最大電流近くまで大きな電流が流れ、電圧が回復して5.6Vに近づくと充電電流が減り、5.6Vを超えることはない。というわけで、狙い通りの動作をしている模様。

なお、負荷の消費電力が小さいので、翌日、日光がパネルにあたり始めてすぐに電圧を回復できているが、もっと大きな電力を消費する負荷の場合、やはり電池切れの可能性があるので、今後もう少し大きな負荷で試してみたい。


まとめと今後の課題

ソーラーパネルエネループで充電システムを試作し、問題なく動作することを確認できた。今後は負荷を増やしたりして、実用課題を洗い出す。