工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

リモート水位センサ筐体内温度の上昇を抑えるための基礎実験

概要

リモート水位センサ筐体内温度の上昇を抑えるための基礎実験を行い、遮光シートによる温度上昇抑制効果を確認した。


背景と目的

以前作成したリモート水位センサは、日当たりのよい田んぼに設置してあり、筐体はシリコンゴムシートで遮光したアクリルボックスである。直射日光ではないが光はそれなりに透過してしまうことや、防水のためにほぼ密閉していることから、夏場の日中の筐体内温度は非常に高温になる。昨年実績では最高で56℃程度まで上がった。高温は筐体内の電子回路の寿命への影響が大きいので、温度上昇を抑えたい。そこで、対策案の検討と効果確認の実験をする。

なお、昨年実績として、気温と筐体内温度との差を可視化してみると以下のようになる。気温は、設置位置から最も近い気象庁の観測データを用いた。日照時間の割合(1時間のうちの日照時間)によって大きく差があるので、色分けしている。日照時間が1の場合は、15℃以上の差が出ることがほとんどで、真夏の猛暑日であれば40度台後半は当たり前という状況だ。

f:id:dekuo-03:20200629224329p:plain


詳細

1.対策案検討

入射する太陽光のエネルギーを減らすには、太陽光を効率的に遮断することが必要だ。基本的な考え方としては、

  • 光は電磁波で、こちらなどから推測するに、狭いながら可視光波長域で高いエネルギーをもち、赤外領域においてもそれなりにエネルギーを持つので、可視、赤外波長域に対して、高い反射率を持つ物体をアクリルボックスの外側に置けばエネルギーのほとんどを跳ね返せる
  • その反射材がわずかながら吸収してしまうことで熱に変わった分のエネルギーについては、反射材とアクリルボックスとの間に、高い比熱を持つ物体を置いて熱を伝わりにくくする

という方針で、可視、赤外波長域に対して、高い反射率を持つ物体と、高い比熱を持つ物体を安く手に入れる方法がないか調べたところ、保温バッグに行き着いた。外側がアルミで覆われ、内側は熱を伝えにくそうなスポンジシートという構造である。しかも、非常に安く手に入る。

なので、これで遮光したときにどの程度ボックス内の温度上昇を抑えられるかが実験の目的になる。


2.実験システム

実験装置は、アクリルボックスを模した箱として2セットのレジャー用のプラスチックコップを用意し、一方は何も遮光せず、もう一方は、保温バッグを解体して遮光シートとして貼った。 そして、温度を計測するため、温度センサをコップ内に設置する。温度センサは、手持ちのDS18B20内蔵防水センサ(防水の必要はないが)を使用。このセンサは、1-wireインターフェースなので、arduino系のライブラリがある。今回は、DS18B20_RTというライブラリを使用して、手持ちのESP-WROOM-32 DevKitCに接続。具体的なコード等は省略するが、一定間隔で計測してAmazon S3CSV保存している。

f:id:dekuo-03:20200620220312j:plain


3.実験結果

朝10時頃から、夕方16時頃までの6時間で、3分ごとに温度を計測。自宅のベランダで常時日光の当たる位置に設置した。

f:id:dekuo-03:20200620220427j:plain

途中、いくらか陽が陰った時間帯があるのと14時以降は曇りがちになったのを除くと、最大で15℃程度、平均的には約10℃弱の差が出たことがわかる。遮光したものは、比較的温度が安定していて、10℃以内の変化にとどまっている。

f:id:dekuo-03:20200620191206p:plain

リモート水位センサのアクリルボックスは、シリコンゴムシートが貼ってあるので、今回の条件ほど明確に効果はないかもしれないが、同様の遮光をすれば、5~10℃弱程度の効果が得られるのではないだろうかと期待が持てる。


まとめと今後の課題

リモート水位センサ筐体内温度の上昇を抑えるための基礎実験を行い、遮光シートによる温度上昇抑制効果を確認できた。夏本番になる前に、リモート水位センサの筐体に適用したい。