概要
自分が所有する車のスピーカーを交換を行うにあたり、トゥイーターの設置高さと向きを調整するための足を3Dプリンターで作製することで、ダッシュボード構造による制約を克服した。
背景と目的
私の所有する車に装着されている純正のフロントドアスピーカーは、取付位置の関係上高域の再生が難しい。そこで、トゥイーターをダッシュボード上設置可能なセパレートタイプのスピーカーに交換する。
詳細
1. 実施環境
- 車両
- ホンダ フリード(GB7型 2021年製)
2. システム構成
2.1 現行システム
- 再生機
- AVIC-RL511
- フロントスピーカー
- 純正フルレンジ
- リアスピーカー
- 純正フルレンジ
2.2 新規システム
AVIC-RL511の出力と純正配線とを変換するハーネス(カナック KLS-H807D同梱)を加工し、スピーカー信号をネットワークボックスまで取り出す。ウーファー信号は車両配線に戻してドアへ送り、ドア内でスピーカー変換ハーネス(エーモン 2079)を使用してTS-V7Aのウーファーに接続する。トゥイーターは、ダッシュボード上に固定する。
- 再生機
- AVIC-RL511
- フロントスピーカー
- TS-V7A(カロッツェリア)に交換
- リアスピーカー
- 純正(交換なし)
2. ダッシュボード構造
ホンダ フリード(GB7)のダッシュボードは、中央手前寄りが高く、左右Aピラー近くが数cm低い。また、手前側に傾斜している。トゥイーターの取り付け位置として想定されるのは、Aピラー近くの3角窓の前だが、ここにトゥイーターを仮置きしてみると、中央手前寄りの盛り上がりに音がぶつかるような向き、高さになってしまい、乗員の頭の方向に向いてくれない。
3. 解決策の検討
トゥイーターの取り付け高さを稼ぐことと、傾斜を打ち消す必要があるため、トゥイーターに台座を付けたらどうかと考えた。形は、TS-V7Aのトゥイーター底面の大きさに合わせた円柱で、取り付け面の傾斜に合わせて斜めにカットされたようなものがあればよさそうだ。そこで、CADで以下のようなものをデザインした。 見た目は完全にレンコンだが、穴には意味がある。ややオフセット下中央の穴は、TS-V7Aトゥイーター底面の板金とねじ止めするための穴。周囲の穴は、樹脂をケチるための穴。
4. プリント
以前から使用している3Dプリンターで、プリントした。材料はPLA樹脂。 斜めの面は、3Dプリンターの積層厚みの関係でどうしても段々になってしまうので、プリント後にヤスリで均した。が、PLA樹脂のため硬くあまり平らにならなかった。しかし、両面テープの付きが均す前よりも明らかによくなったことが実感できたので良しとする。
PLA樹脂むき出しでは、見た目が良くないのと、強烈な直射日光が当たるダッシュボード上での使用を考慮して、フェルトを巻き付けることにした。100均で、シールタイプのフェルトを購入して、切り貼りした。
5. 設置
乗員の方を向けて設置できている。フェルトを巻いたおかげで、見た目もまずまず。
6. 試聴&試走
ダッシュボード上に音が広がり、各楽器の明瞭感が劇的に良くなった。トゥイーターを乗員の方をちゃんと向けて設置できたおかげだろう。試しに、走ってみたが振動でぐらつくこともなく、しっかり装着できている。
まとめと今後の課題
3Dプリンターによるトゥイーター用台座を作製し、理想的な位置にトゥイーターを設置できた。これから、車内という過酷な環境で稼働していかなければならないので、台座の様子を注視しつつ、音楽を楽しんでいきたい。