工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

デスクトップ型スピーカーの製作(3) --- 材料調達、切り出し ---

概要

デスクトップ型スピーカーの材料を調達し、切り出しを終えた。




背景と目的

前回の設計に基づき、材料調達と木材の切り出しを行う。



詳細

1. 材料購入

1.0 スピーカーユニット

前回記載したPS-95(Dayton Audio)である。楽天の横浜ベイサイドでたまたまセール品を見つけることができた。

dekuo-03.hatenablog.jp

1.1 基本骨格

天板、中板、底板、桟、スピーカーユニット取り付けバッフル、バスレフポート取り付けバッフルなどの基本骨格となる材料は12mm厚MDFで、近所のホームセンターで購入。

※昨今の物価高で安価なMDFですら以前に比べて値上がりしていて高く感じるのは悲しい。

1.2 曲げ板部

曲面となるフロントバッフル、側板については、楽天内のショップである北零WOODという店で購入。ただ、何とも残念なことにこのショップは楽天から撤退してしまった。そのため、必要量を確保できず、近くのホームセンターで近しい材料を見つけてどうにか間に合わせた。

この北零WOODというお店は、今回使用した曲げベニヤだけでなく希少なオールシナベニヤ(航空ベニヤ)というものを扱っていて、私はかつてのスピーカー製作において、何度も利用してきた。そのため、今回の閉店は非常に残念でならない。代わりのお店がを見つけようとしたが、今のところ見つからないため、今後工作でこの手の材料を使うときに調達が難しいかもしれない。

池内ベニヤ株式会社という北零WOODの元会社は存続しているので、またいつかネットショップを出してくれることを願う。

www.ike-net.com

1.3 バスレフダクト

54mm×100mmである。設計値と完全に合うものは存在しないので、できるだけ近いものを選んだ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07W4VM8R3?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_titlewww.amazon.co.jp

1.4 外装カッティングシート

サンゲツの壁紙 である。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBPFDD3C?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_titlewww.amazon.co.jp

1.5 塗料

和信ペイントの水性ウレタンニス 艶消しブラックである。スピーカーユニット取り付けバッフル、バスレフポート取り付けバッフルに塗布する。

www.washin-paint.co.jp

1.6 天板化粧板

シナの1.5mm薄板である。天板はカッティングシートを貼るにあたって全体が平坦である必要がある。しかし、側板とフロント曲面バッフルの切り口を天板に合うように完ぺきに平坦にすることは困難であるため、それらを覆うように化粧板を貼って平坦化する。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTY5T6TM?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_titlewww.amazon.co.jp


2. 切り出し

2.1 底板、天板

フロント、側面のRに合わせて切り出す。1枚をまず切り出し、それをもとに中板の分を含めて5枚を量産。

2.2 中板

Rに合わせて切り出した板に空気の通り穴をあける。

2.3 スピーカーユニット取り付けバッフル

100mm×100mmの正方形に78mmのスピーカー取付穴をあけた。2枚を重ねるので合計4枚。

2.4 バスレフポート取り付けバッフル

70mm×70mmの正方形に56mmのバスレフダクト取付穴をあけた。2枚を重ねるので合計4枚。

2.5 桟

MDFから25mm×107mmの桟を20本切り出し。ほかにスピーカーユニット取り付けバッフルを受ける35mmの桟が4本あるが写真を撮り忘れた。

2.6 フロント曲面バッフル

3mm厚曲げベニヤを、スピーカーユニット取り付けバッフル、バスレフポート取り付けバッフルの大きさに合わせ穴あけ。曲面なので、単純な正方形ではだめで少しだけ横長の長方形になっている。しかも、3枚を貼り合わせるため、3枚それぞれで開口幅が異なるのが面倒だった。

2.7 側板

3mm厚曲げベニヤ。

2.8 天面化粧板

1.5mmオールシナベニヤ。天面の仕上がり形状に合わせて最終カットするため、これは大雑把なサイズに切り出しただけ。

2.9 裏板

スピーカーターミナルの取付穴をあけてある。



まとめと今後の課題

デスクトップ型スピーカーの材料調達、切り出しができた。次回は組み立て(材料の接合)に進む。


2024年リーディングサイアーランキング回顧

概要

JRAの2024年リーディングサイアーに関する一考察である。過去10年にわたるリーディングサイアーランキングの変遷とともに今年のランキングの意味合いおよび来年以降のトレンドについて考察した。


背景と目的

2024年もJRA全レースが終了し、リーディングサイアーランキングが確定した。本記事では、過去10年にわたるランキング変遷とともに今年のランキングの意味合いと今後のトレンドについて考察する。


詳細

1. 2024年リーディングサイアーランキング

以下は、2024年リーディングサイアーランキング上位10傑。

順位 馬名 勝馬 EI 賞金[億円] 代表馬
1 キズナ 0.383 1.87 42.5 ジャスティンミラノ
2 ロードカナロア 0.295 1.68 38.5 ベラジオオペラ
3 エピファネイア 0.251 1.45 32 ダノンデサイル
4 ドゥラメンテ 0.29 1.28 24 ルガル
5 ハーツクライ 0.276 1.99 21.5 ドウデュース
6 モーリス 0.29 1.2 21.5 ダノンマッキンリー
7 ルーラーシップ 0.261 1.36 21.1 ソウルラッシュ
8 ハービンジャー 0.255 1.64 20 チェルヴィニア
9 ドレフォン 0.275 1.22 19.4 ミッキーファイト
10 ディープインパクト 0.18 2.11 17.9 シャフリヤール
  • 1位はキズナ。昨年の展望で2‐4位グループと予想したが、勝ち馬率、EIとも改善した。重賞勝ち数が4勝から15勝に増えており、むしろ今までが勝てなさすぎたのかもしれない。賞金総額では2位との差が大きいわけではないが、ロードカナロアに比べて勝ち馬率が1割近くよく、下級レースから上級レースまでまんべんなく勝っている印象。なお、サンデーサイレンスから父仔3代でリーディング獲得は史上初とのことで、改めてサンデーサイレンス以降日本の父系がちゃんと継続するようになったと感じる。
  • 2位ロードカナロアは5年連続。昨年より出走頭数が減っているが勝ち馬率、EIは改善しており、平均的にレベルが高い産駒が多い傾向は変わらない。
  • 3位エピファネイアは、ここ数年の推移から昨年10前後と予想したがここへきて上昇したのは意外だった。勝ち馬率は昨年並みで、EIだけ大きく上昇した。G1勝ちの産駒が4頭と当たり年と考えるべきだろうか?
  • 4位ドゥラメンテは昨年リーディングを予想したが後退。勝ち馬率は悪くなく出走回数≒産駒数は昨年並みだったのに、リバティアイランド以降の有望株が出なかったことに尽きる。
  • 5位ハーツクライは、15シーズン目にもかかわらず5位に食い込んだが、ドウデュースの稼ぎによるところが大きい。
  • 6位モーリスは、昨年より1ランク上昇。勝ち馬率は悪くないがEIが低く大物が出にくい傾向なのだろうか。
  • 7位ルーラーシップはこのランク常連化している。特筆すべき点は少ないが、平均的に成績を残すタイプだろう。
  • 8位ハービンジャーは勝ち馬率が低下したが重賞勝ちがすべてG1のためランクを維持した感じ。出走回数が2割減っているのが痛い。
  • 9位ドレフォンは、順調にランクアップしてきた。ダートだけに賞金を稼ぎづらいところがあるが、ダート、安定感を武器にかつてのジェイドロバリーのようなタイプになっていくのだろうか。
  • 10位ディープインパクトは最終世代が4歳のため10位以下の種牡馬よりも勝ち数が少ないにもかかわらずランクインしたのは驚異的である。


2. 過去10年間の変遷

図2は、過去10年のリーディングサイアーランキングの変遷である。

いよいよ、産駒がほとんどいなくなったディープインパクト以降の種牡馬争いに入り、キズナロードカナロアを中心に、従来からの常連組エピファネイアルーラーシップハービンジャーにモーリス、ドレフォンが参加する構図となってきた。ディープ、キンカメ直仔系統が中心なのは間違いないが、ドレフォンのような日本になじみの薄い系統も入る余地が出てきているのかもしれない。キタサンブラックは昨年台頭してきたと書いたが、イクイノックス後の有望株がいないのか、ぱっとしない。このグラフを見ると、やはりドゥラメンテの子が今後出てこないのは改めて残念だ。


3. 今後の展望

前節までを踏まえてここでは今後の展望を行ってみたい。

3.1 トップ10展望

順位 馬名 コメント
1位-2位グループ キズナロードカナロア この2頭の争いになると思われる
3-5位グループ モーリス、ドレフォン、スワーブリチャード スワーヴリチャードが上位に食い込みそう、ほかは安定タイプ
6-10位グループ エピファネイアハービンジャールーラーシップリオンディーズドゥラメンテハーツクライ 常連+新興リオンディーズハーツクライドゥラメンテがぎりぎり粘るか
新興勢力 サートゥルナーリア、ナダル、アドマイヤマーズ、タワーオブロンドン、モズアスコット、ルヴァンスレーヴ


3.2 新興勢力

以前から毎年書いている通り、初年度100位以内であることが、将来のトップ10の目安である。特に、50位以内は、トップ10どころかリーディングを狙う器ともいえる。2022年該当馬の2023年→2024年順位変化は、スワーヴリチャード(45位→12位)、ニューイヤーズデイ(80位→39位)、レイデオロ(87位→26位)、ブリックスアンドモルタル(72位→30位)で、例年同様20-40位台まで上がる傾向であるがこの中でスワーヴリチャードの2年目12位というのは、過去のドゥラメンテ(11位)、モーリス(12位)と同程度であり、ハービンジャーハーツクライなどのトップ10常連組と同等以上であることから、来年以降トップ10常連になることは間違いなさそうだ。 2024年初年度新種牡馬で該当するのは、サートゥルナーリア65位、ナダル68位、、アドマイヤマーズ80位、タワーオブロンドン89位、モズアスコット91位、ルヴァンスレーヴ93位がいる。これらは今後数年でトップ10に顔を出す可能性が十分あるといえるので注視していきたい。


まとめ

2024年のリーディングサイアーランキングについて、過去10年の変遷および今後の展望を交えて考察を行うことができた。2025年も動向を見守っていく。

デスクトップ型スピーカーの製作(2) --- 設計 ---

概要

デスクトップ型スピーカーの設計を行った。




背景と目的

前回、構想検討を行い大まかなコンセプトを決めた。それに基づき、今回は設計を行っていく。



詳細

1. スピーカーユニット

使用するスピーカーユニットは、後述の形式や容積、サイズ等を勘案して、以下にした。

Dayton Audio PS-95

www.daytonaudio.com

  • 約10㎝口径
  • フルレンジ
  • f0: 約120Hz
  • 能率: 約85dB

PSは、Point Sourceで点音源を意識したものと思われる。スペックを見る限り、低域から高域までバランスよく音圧が出ていて、ニアフィールドで聞くのにちょうどよさそうだと感じた。また、1本あたり通常7000円程度であるが、幸運にもちょうどセールで2本1万円で入手できたことも決め手の一つ。


2. エンクロージャー形式と容積

構想段階で、

いろいろ勘案すると80Hzくらいまで出せればよしとする。

とした。上記のスピーカーユニットのスペックを考慮して検討した結果、以下のようになった。

  • 形式: バスレフ
  • 容積: 6.0L
  • バスレフ共振周波数: 75Hz
    • ポート径: 約45mm
    • ポート長さ: 約100mm

参考として以下を掲載しておく。


3. エンクロージャー構造、サイズ、外観

エンクロージャーは、構想段階で記載した通り、ラウンドフォルムとし、バッフル端だけではなく、バッフルそのものに大きなRをつけて、側面へなめらかにつながる構造とする。

内部は以下のような構造とする。

  • まず、大きなRをつけた天板、底板、中央に水平方向の補強となる中板、それらをつなぐ桟で構成する。
  • スピーカーユニット取り付け部分は12mm厚のMDFを2枚重ねで24mmとし、それを奥行き35mmの桟で受ける。これまで私のエンクロージャー製作においては、基本的にスピーカーを平面のバッフルに取り付けた構造で強度を得るために板厚を増やすことで対処してきたが、今回は前後方向に肉厚の構造物を設けることでスピーカーユニットの前後方向の力をしっかりと受け止め、正確に振動板が動くことを狙う。
  • バスレフポートについても、スピーカーユニットほど前後の力はかからないと思われるが、構造的に上下共通化したほうが作りやすいため、同様の構造とする。


4. 材質、外装等

エンクロージャー構造を実現するため、加工性、入手性などを勘案して、以下とした。

  • 曲面部: ラワン曲げベニヤ 3mm * 3枚重ね
  • 他: すべてMDF 12mm
  • 外装: カッティングシート(サンゲツ リアテック TC-4296 カリン柾目)

曲面部

最小でR=106mm程度を実現しなければならないのだが、以前

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/dekuo-03/20230129/20230129020826.jpg

で用いた2.5mm厚MDFでは全く曲げることができない。そこで、使えるものがないか探したところ、曲げベニヤという木材があることがわかった。板厚が薄いほど曲げやすく、現物を少量だけ取り寄せ確認したところ3mm厚のものが所定のRを実現できそうだとわかったので採用することにした。もちろん、3mmではエンクロージャーの板材としては薄すぎる。通常小型スピーカーを作るときはだいたい12mmくらいのものを使っているが、今回は曲げて使用するため単純な平面よりも強度が出やすいと考え、3枚重ねの9mmとする。なお、この曲げベニヤというのは業者用のサブロクサイズなどしかほとんど流通しておらず、一般のDIY用途では入手性は非常に悪いというのが難点。

他の部分

これまでの使用経験から安価で小型スピーカーにおいては十分な強度と考えられる12mmを使用する。

外装

以前のホームシアター用スピーカー

dekuo-03.hatenablog.jp

一式を作成する際に使用したサンゲツ リアテックがなかなか具合がよかったので今回も使用する。色合いは、やや赤みがかかった茶色であるカリン。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBPFDD3C?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title

www.sangetsu.co.jp



まとめと今後の課題

設計を行うことができた。次回は、いよいよ材料調達し製作を開始する。