工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

Lookout for Equipmentで、推論(inference)対象となるCSVファイルの名前と内容について

はじめに

Lookout for Equipmentで、inference scheduleを作成して、推論対象となるCSVファイルをS3に置こうとしたのだが、csvファイルの名前と内容をどうすればよいかわからず、失敗しまくったのでメモる。

※公式ドキュメントをいくら見ても載っていない。(今後記載されるかもしれないが。)

What is Amazon Lookout for Equipment? - Amazon Lookout for Equipment


ファイル名

{ComponentName}{delimiter}{Timestamp}.csv

# 例
# ComponentName = Pump1
# delimiter = _ (アンダーバー)
# Timestamp = 2021/05/20 11:30

Pump1_20210520113000.csv
  • {ComponentName}

下の画像のPump1に相当する。

f:id:dekuo-03:20210520114909p:plain

  • {delimiter}

    Inference scheduleを作成する際に入力するdelimiterに対応する。

f:id:dekuo-03:20210520114848p:plain

  • {Timestamp}

    Inference scheduleを作成する際に入力するTimestamp formatに従ったタイムスタンプ。

読み取り対象のファイル

推論の対象となるファイルは、実行時刻から実行周期分を引いた時刻のタイムスタンプを持つファイル。

例を挙げると、

  • 実行時刻 = 2021/05/20 11:35
  • 実行周期 = 5分

→ 2021/05/20/ 11:30のファイルが対象となる。すなわち、

Pump1_20210520113000.csv

が読み取られる。

f:id:dekuo-03:20210520115104p:plain


ファイルの内容

基本的に、学習に用いたものと同じ形式でよい。

  • 実行時刻 = 2021/05/20 11:35
  • 実行周期 = 5分

であれば、Pump1_20210520113000.csvには、

2021/05/20 11:30 ~ 2021/05/20 11:34:59

までのデータを記載しておく。

f:id:dekuo-03:20210520114744p:plain


参考資料

自動水やり器で使っている土壌水分センサの温度依存性について調べる

概要

土壌水分センサの温度依存性について調べた。



背景と目的

以前作成した自動水やり器の水やりの回数が、ここ最近やけに多くなっている。季節柄、空気も乾燥しているし、植物自体もそれなりに成長しているのでそんなものかなとも思ったのだが、よく見ると、鉢の土は十分湿っているし、鉢の受け皿に水がたまっていて、あきらかに水やりし過ぎある。そこで、この誤動作の原因を探り、対策をしたい。



詳細

1. 水やりが多すぎる原因を推測

土壌水分センサは、スイッチサイエンスで買った以下のもの。DFRobot社Gravityシリーズ。

https://www.switch-science.com/catalog/4024/

水やりをするかどうかは、鉢の土に挿している土壌水分センサから読み取った値だけで判断しているので、土壌水分センサの値がおかしいといえる。いろいろ観察した結果、どうも土壌水分センサのセンサ回路部(写真参照。ここは防水加工されていないので、使用中は水道工事用の自己融着テープを巻いている)に、陽が当たっていて、温度が高くなっていることが原因のように思えてきた。過剰な水やりが発生しやすいのは、よく晴れた日の昼間で、土は湿っているにもかかわらず明らかに計測値が高め=乾燥寄りになっているからだ。


2. 温度を上げる実験

土壌水分センサの温度依存性が疑われるので、実際に温度を上げてセンサ計測値が変化するか確認した。方法は、厳密ではないものの簡易的に

  • 回路部分の近くに、温度センサを張り付けておく
  • センサの回路部分にはんだごてを近づけ、センサ計測値と温度を同時に測定する
  • 約25度→35度の範囲

とした。結果として、

  • 約10℃の上昇に対して、40mV程度のセンサ計測値上昇(約25度のとき、センサ読み取り値は約2.74V、上昇後2.78V)

が見られた。計測値は上昇=乾燥側に変化していて、回路部分に直接陽が当たって乾燥気味の値が出ることと合致する。


3. 回路について考察

この土壌水分センサの回路はどうなっているのかというと、こちらの回路図にあるように、555タイマーICを使った矩形波発振回路の出力を、RCローパスフィルタで鈍らせ、さらに整流・平滑回路でDCに変換して出力しているらしい。センシングは、センサ感応部周辺の水分量によってキャパシタンスが変化して矩形波の鈍り具合が変化し、結果として平滑後のDCレベルが変化する、といった動きを利用しているようだ。

この回路で温度変化がDCレベルに影響を与えそうな要素を考えると、

  • 整流・平滑回路部D1の順方向電圧、R1の抵抗値、C3の容量
  • RCローパスフィルタ部R2の抵抗値

が考えられる。

  • D1は、リンク先の回路図の品種が使われているとすると、約25度→35度あたりでは10℃上昇で約15mVの順方向電圧減少、すなわち平滑回路出力としては上昇する。しかし、40mVをすべて賄うほどではない。
  • R1は、正の温度係数を持つはずで、一般的な100ppm/℃程度とすると10℃で0.1%上昇。C3は、品種不明だがF特性のチップ積層セラミックコンデンサと仮定すると、約25度→35度あたりでは容量が最大10%程度減少しそう。
  • R2もR1と同様の温度依存があり、矩形波がより鈍りDCレベルは下がる方向。

LTSpiceで簡単にシミュレーションしてみる限り、C3の変化の影響が大きく、最大で5-10mV程度の上昇がありそう。先述のダイオードのVFの変化を含めても40mVの変化を引き起こすほどではないが、温度変化に対して正の依存があり、その大きさの見当もついた。


対策

回路部分の温度に応じて補償できれば一番いい。しかし、今のシステム構成では温度センサは自動水やり器本体回路を収納する筐体内にしかない。土壌水分センサ直近に温度センサを張り付けるとなると改造規模が大きくなってしまうので、現実的なところでは、

  • (1)回路部分に陽が当たらないようにする
  • (2)筐体内に温度を参考に、センサ計測値に温度補償分を加える

であり、(1)をひとまずやろうと思う。とはいえ、これから夏場を迎えてさらに温度が高くなる状況では、さらに大きな影響が出ると思われるので、(2)の対策も入れたい。



まとめと今後の課題

土壌水分センサの温度依存性について調べた。ひとまず、できる範囲の対策を施して様子を見て、本格的に暑くなる前に温度補償を入れたいと思う。


リモート水位センサシステム ver3(ソーラー発電対応)(3) --- 動作テスト結果まとめ ---

概要

ソーラー発電対応したリモート水位センサシステムの動作テスト結果をまとめた。



背景と目的

前回作製したソーラー発電対応したリモート水位センサシステムに対して、約1か月間の動作テストを実施した。そこで、動作テスト結果をまとめ、実用課題があれば、対処する。



詳細

1. テスト環境

  • テスト期間: 2021/4/11~2021/5/4
  • 設置位置: ベランダ(田植え前なので)
  • 4時間に1回水位データを送信

f:id:dekuo-03:20210504142800j:plain


2. 降雨等に対する耐性

まず、最初に気になっていたのはソーラーパネル部の降雨に対する耐性。テスト期間中の降雨は6日間だった。そのうち、数回は雷を伴う激しい夕立のような雨ではあったが、内部に雨が入り込んだりすることもなく、問題なかったようだ。事前に水没させて水が浸入しないことは確認済みではあったが、実際に屋外で確認できてよかった。 ただ、ソーラーモジュールを挟みこんでいるアクリルとソーラーモジュールとの間に結露が発生した。(写真は撮り忘れた)今回の期間だけでは、影響はなかったが長い期間だと故障につながるかもしれない。ソーラーモジュールの裏側からケーブルを引き出していて、アクリルとソーラーパネルの間にわずかな隙間ができているせいなのかもしれない。


3. 電池電圧の水位

以下が、電池電圧の推移。使い初めに大きな電圧低下がみられた後、3.7~3.8Vあたりまで回復して、それ以降は夜間に電圧が下がり、昼間に充電して電圧が回復するというサイクルを順調に繰り返しており、数日間の雨があったもののトータルとしては電圧をちゃんと維持できている。 しかも、昨年までの6時間に1回という計測頻度よりも少し多めの4時間に1回としながらも、十分に動作可能な発電量が得られているので、水位の変化を素早く通知できるようになる。

f:id:dekuo-03:20210504141602p:plain


4. 実用課題の整理

ここまでのテストでは、実用課題といえるのは結露の問題。ただ、田植えも数日後に迫っており、あまり構成を変えたくないので、アクリル板を抑えるネジの増し締めをするのみとして、今シーズンは実戦投入したい。



まとめと今後の課題

ソーラー発電対応したリモート水位センサシステムの動作テストが完了し、今シーズンの設置に向けて準備が整った。リモート水位センサシステムを初稼働させた2年前のシーズンの時からソーラー発電の実験を進めてきて、昨年は残念ながら検討不足により実用にこぎつけられなかったが、今年はようやく実用にたどり着けて非常にうれしい。