工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

電子工作用のケーブルリールラックと整理トレイの自作

概要

電子工作用のケーブルを使いやすい状態にするため、整理ボックスとケーブルリールラックを製作した。




背景と目的

これまで電子工作をやってきた中で、工具や電子部品については使いやすさにこだわって整理キャビネットを用意したり、壁掛け式工具パネルを作ったりしてきた。そのおかげもあってかなり使いやすい状態にできていると感じている。

dekuo-03.hatenablog.jp

しかしながら、昔から課題を感じながらも余り整理ができていない部分として ケーブル がある。

これまで、袋や段ボール箱に仕舞うといういい加減な管理になっていて、ケーブル種類ごとに分けて仕舞うことができないので、いろいろなケーブルを混ぜてしまい、次に使うときにはぐちゃぐちゃの中から拾い出す、というようなことをずっとやってきた。

そこで、いよいよケーブルについてどうにかすることにした。



詳細

1. 構想整理

まず、これまでの工作を振り返ってどんなものを管理対象とすべきだろうか?と考えてみた。今あるものすべてを管理対象とすると種類も多く、必ずしも使用頻度が高くないものまでいちいち管理することになり無駄が多くなる気がしたからだ。工作の傾向から、

  • 最もよく使うのはAWG28~24で、AWG22以上の太めのケーブルはオーディオ、特にスピーカー関連配線以外ほとんど使わない
  • 色は赤、黒を中心としてそれ以外についても信号を見分けるためにいろいろな色を使っている
  • 実験あるいは基板間配線などでQIコネクタ付きのケーブルはなかなか使用頻度が高い

という感じになった。これを基に検討した結果、

  • 最も使用頻度の高いAWG28, AWG24については色分けしてリールに巻いておく
    • 色は、赤、黒、黄、青、緑、オレンジ、紫、茶、白、灰の10色
  • QIコネクタ付きケーブル、AWG22以上のケーブルは、整理トレイに種類ごとに分けて仕舞う
    • QIコネクタ付きは、オス-裸、メス-裸、オス-メス、メス-メス、オス-オスの5種類
    • AWG22、多芯、10㎝未満の切れ端、など

ということができれば問題ないだろうという結論に至った。もちろん、これ以外に必要になるものもあるとは思うが、ごく少量なので細かく管理するのではなく、使用頻度の高いものと混ざらないように分類できていればよいだろう。

ということで、まずはケーブルリールとそれをまとめるラックを探したのだが、市販品では実験室などで使用する大きなもの、高価なものしか見つからなかった。

https://jp.rs-online.com/web/p/cable-storage/3741697?cm_mmc=JP-PLA-DS3A--google--PLA_JP_JP_ePmax_Prio3----&matchtype=&&gad_source=1&gclid=Cj0KCQjw_sq2BhCUARIsAIVqmQt0Q_JwP0H_TMVtXT65XNekmsUfm3UADksGjGVySV-VuQopnqle3HYaAqSnEALw_wcB&gclsrc=aw.ds

https://www.amazon.co.jp/JIAWANSHUN-%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E9%98%B2%E6%AD%A2%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC-%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%A7%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8/dp/B0CQ46MV69www.amazon.co.jp

なので、これは自作が必要だろうと思った。また、その他のケーブルについても一般の整理ボックスだとちょうどいい大きさが見つからなかったので、こちらも自作することにした。


2. 設計

2.1 ケーブルリールラック

以下のように、ケーブル用ボビンをパイプ等に通したラックとした。AWG24とAWG28でそれぞれ1列を使用する。ボビンは20mm幅のものが10色分並べられるので、色ごとに分けて巻いておける。

ボビンは、20個で約1100円のものが見つかった。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6WB7K9W?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title


2.2 その他ケーブル用整理トレイ

形状としては奥行約30cm×幅約42cm×高さ約7cmで、3×4マスになるように仕切りを入れる。


3. 製作

3.1 ケーブルリールラック

材料は、余っていたワンバイフォー材と2.5mm厚ラワン化粧板を使用したため、材料費は0円。工作的に難しい部分は全くないので、ものの1時間ほどの作業で出来上がった。


3.2 整理ボックス

材料は、MDF 2.5mm厚の板材が余っていたのでそれを使用。単純な形状なので特に難しいところはない。厚さ的にそれほど強度があるわけではないのだが、使用状況的には問題ないと考える。QIコネクタ5種、10㎝未満の切れ端がをちゃんと分類して仕舞えるかどうか?が最も重要な点であり、それ以外によく使うものを分けて入れた。結果10マスを使用しており、2マスは予備である。最悪ここがぐちゃぐちゃになったとしても他への影響がないので問題ない。


4. 使用感確認

とりあえず、リールラックについてはケーブル同士が絡むことなく、そしてコンパクトに収まっていて、使いたいときにすぐに使えるし、そもそも元に戻すという作業自体が不要となる。そのため、従来他と混ぜてしまうという問題を完全に回避できる。

整理ボックスの方は、使用量的に1マスの大きさは十分だと感じた。また、マス目で分けているのでもちろん他と混ざってしまうリスクが大きく減っている。

余談だが、MDF2.5mm厚の板材というのは、適度に強度があるが硬すぎないので加工も容易で非常に有用だ。MDFは天然木と違って寸法の狂いも少ないし安価。ネジが効きにくいことと塗装が直接できないことが難点ではあるが、それを補って余りある利点があると思う。今度、サンディングシーラーなどを使って塗装できるように方法を試してみたいと思っている。



まとめと今後の課題

電子工作用のケーブルリールラックと整理トレイを製作し、作業効率が改善できた。