工作と競馬2

電子工作、プログラミング、木工といった工作の記録記事、競馬に関する考察記事を掲載するブログ

ホームシアターの構築(10) --- センタースピーカーの製作(1) ---

概要

センタースピーカーの外装以外の製作を行った。



背景と目的

前回、フロントスピーカーのスタンドとクロスオーバーネットワークの製作を行った。今回は、センタースピーカーのエンクロージャー製作を行う。



詳細

1. 基本構想

再掲にはなるが改めて書くと、

  • 手持ちのTVボード内(幅40cm × 高さ30cm)に収まる程度の大きさとすること
  • 男性のセリフ音声に必要そうな100Hz程度まで再生できること

である。ただし、TVボード内に格納すべきAV機器もあることからできるだけそれらが置けるように、上下の厚みを減らす方針としたい。


2. ユニット選定

ネーブルドスピーカー、サラウンドスピーカーと同じくPE-101A手持ち品を用いる。

  • 口径: 10cm
  • f0=80Hz@JIS箱
  • 再生帯域: f0~20kHz
  • 能率: 90.5dB

サラウンドスピーカーと同程度のエンクロージャー容積とすることで再生帯域の要求は十分満たせると思われる。


3. 設計

  • 容積: 約8L
  • エンクロージャー方式: バスレフ型
  • バスレフポート共振周波数: 65Hz

大まかな特性シミュレーション結果は以下。

バスレフポートの開口サイズと長さを計算。

外観は、できる限り上下の厚みを抑えてその分横幅で容積を稼ぐ。バッフル端の丸めと上下斜めカットは回折低減および他スピーカーとの共通の意匠としてここでも採用する。バスレフポートは、外観上の対称性を持たせるために2つに分ける。2つの開口面積を合計したものが、4cm × 6cmになっている。

内部構造として、各面に補強を追加。上下面の連結による補強は、イネーブルドスピーカー製作の際に行って効果の手ごたえを感じたため、ここでも採用する。取り付け方向は斜めとして、平行面の低減を狙う。


4. 製作

材料は、MDFおよび手持ちの杉材等とし、MDFはホームセンターで各面材をカットしてもらった。各種穴あけは自分で行った。自分で設計したので仕方ないのだが、今回のサイズは横幅が300mmに収まらず、かといって450mmにも満たないので非常に板取効率が悪い。材料切り出しが終わったところ。

接着に入っていく。まずは、バスレフポートをバッフル裏に接着。

全体の接着を実施中。裏板側から見た様子。補強等も接着中。

すべて貼り終えた様子。


5. 仮音出し

吸音材なしで、裏板もちゃんと固定していない状態だったが、とりあえず1/3オクターブバンドノイズを聞く限り、設計上の特性にあるようにおよそ80Hz程度までは音圧感の低下があまりなく、63Hz以下で明らかに聞こえなくなるので、低域特性としてはまずまず設計通りと思われた。中~高域は、特段目立つ帯域はなく、それなりにフラットに出ているのではないだろうか。音楽の場合、モノラル再生なので定位感などは不明だが、それなりにクセなく聞けたと感じる。



まとめと今後の課題

センタースピーカーの製作ができた。次は、いよいよ外装に着手し、仕上げにかかる。